フジ5合目
2018-11-12


先週末は30年以上ぶりに富士の5合目まで行きました。

その昔におとずれたのも寒い秋の日で、雨が降りしきるなか霧(雲)が白く濃くたちこめていたことと、5合目の山小屋で売られていた“イカ焼き”らしきものをかじったことが記憶に残っておりました。

それ以来、富士5合目といえば、濃霧とぬるいイカという寒い思い出ができあがりまして、それきり山腹へゆく機会もなく、富士山はいつも遠くから眺めるものとなっておりました。


まぁ、富士山の方角にガスがかからなくなる季節になれば、遠くから綺麗な富士山を見られるようになる、というのもあって、”眺めるだけで満足できる” というのも本当です。

それに、火山岩がゴロゴロしたところを登ったり歩いたりするのは “ひと仕事” という印象もあるので、富士は眺めるものと決まっておりました。

 

ところが、話の流れでふいに富士山腹へ行くことになった先日、5合目付近はすっかりハイカラになっているらしく、知らないうちに富士山は世界の山に変貌をとげていたようです。


というのも、今回の富士5合目行脚に同行した人物は、同じく30年以上前に7合目の山小屋でアルバイトをしたことがあるとかで、そのヒトによれば、当時の5合目付近の様子からすれば現在の5合目は様変わりしているのだそう。

へぇ、そうなのか……確かに、焼きイカの姿が見えないな……その昔、富士5合目で濃い霧とイカしか見ることができなかった人間には、当時と今の変化率がまったく不明でしたので、知り得ない景色のことをチョビチョビと教えてもらって面白かったです。

その山小屋のバイトでは、山小屋のお仕事で7合目と5合目の間を何度となく往復したそうで富士から見る東京都心の夜景はさも美しい眺めなのだそう。ちなみに、山の高さをなぜ「〓合目」というトックリの単位で示すのかも、話のついでに教えてもらいました。

→暗い道を登るときに油に火を灯す

→その油1合がなくなる量=1合目

なるほど……それなら合点がいきますね。遠い昔、“漆黒の闇”と化す夜の道は、独りで歩けたものではなかったわけですが、何人かが集まって、それぞれに必要な数の油入りトックリを持って富士山を登れば、もし途中で日が暮れても火を灯して途中の山小屋を皆で目指せば安全です。きますその調子で頂上まで登っていけばいいわけで……達者だなぁ〓昔の人は。


……話を現代の富士山へ戻しましょう。


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[自然]

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